扉を開けてくれた人
こんにちは、ミナです。
ここ数日の大雨、幸いなことに今年は土砂災害もなく無事に過ごせています。
去年の今頃は裏山の一部が崩れて車庫に土砂が流れ込み
車のタイヤ半分が埋まってしまい、それから数日間は実家に避難して、
「始めたばかりの、古民家での田舎暮らし。念願の外国人向け民泊を
スタートした途端に避難生活。。。これってどういうことだろう?」
って、考えてたなぁ。。。
ありがたいことに、大家さんや周りの方々があっという間に
道路まで流れ出していた土砂を片付けてくれて、
暮らしはすぐに元どおりになって、
再びわたしは自然の中で、心と体を休める暮らしをしながら、
外国人向けの民泊をスタートすることができました。
そして、この出来事は「最善のタイミング」のために起こったことで、
民泊のゲストは、そのうちやってくるんだろうなぁ。。。
なんて呑気に思いながら、夏の日々を送っていました。
このゆるーい民泊の始まりが、
いまのわたしの「コズミックライフ」に繋がるなんて、
このときは想像すらしておらず。。。(笑)
コズミックライフの扉
「宇宙と地球にしっかり繋がって、見えない存在たちとコミュニケーションをとる暮らし」
の扉を開けてくれたのは
遥か遠くのオーストリアからやってきた、素敵な親娘でした。
オーストリアから素敵なご夫婦が、
日本に留学中の娘さんに連れられて、
わたしの古民家民泊スペースmina homeに来てくれたのは、
11月初旬のことでした。
娘さんのリナは2回目の宿泊。
1回目にお友達ときてくれたときは、実はわたしにとって初めてのゲストで
「日本の暮らしに興味津々」の彼女たちと、一緒に栗ご飯を作ったり、
お菓子を食べながら夜遅くまでおしゃべりしたり、
ホストのわたしにとって、それはそれは楽しい特別な時間を過ごさせてもらいました。
そんな彼女が、「今度両親が日本に来るから、一緒に連れて来るね」
と連絡をくれたとき、嬉しくて、胸がドキドキしたのをいまでも思い出します。
レンタカーを運転して、やって来た3人。
「明日は指宿ってところへ行って、砂蒸し温泉を体験して。。。」
と鹿児島でのプランを、付箋がいっぱい付いた分厚いガイドブック
を開きながら、楽しそうに話してくれました。
4泊の滞在。
日本の大学に留学中のリナは学校があるので2泊だけ、
残り2泊はご両親だけの滞在でした。
リナが学校に戻り、ご夫婦だけになったので
わたしが地元の窯元祭りを案内したり、うちの両親の家にも
来てもらって一緒にコーヒー飲んだり、なんだか親戚と一緒に
いるみたいな感覚になって、すっかり打ち解けた日の夜、
「夜ご飯はお寿司を食べよう」と入ったお寿司屋さんで
ママのマリーがゆっくりと口を開きました。
「実は、わたしが日本に来たのは2回目なの」
(そういえば、リナが「うちのママが日本に来るのを
すっごく楽しみにしてる」って言ってたなー。)
「もう何十年も前、まだ20代の頃だった。
とっても楽しい旅行で、日本人の友達と一緒に観光して。
でもね、旅行がもう少しで終わるというときに
オーストリアの家族から連絡が入ったの。お母さんが亡くなったって。」
(「え!?」胸の奥がギュッと締め付けられた)
農業を営んでいたマリーのご両親、
いつものように農作業をしていたお母さんがトラクターの事故で急死。。。
「そんなことがあったから、わたしは日本が大好きなんだけど、
そのときの悲しい想いもセットになっていて、
なかなか日本に来ることができなかったのよ。
だけど、今回勇気を出して来てよかった。
おかげで、こんなに楽しい思い出に変わったから。」
そう言って、マリーはにっこり微笑んでくれました。
そんなことがあったんだ。。。
わたしは、その話をシェアしてくれたマリーに感謝して、
また、この旅を楽しんでくれたことに、同時に少しホッとして
その日の夜を過ごしました。
翌朝、
お天気も良いし、外で朝ご飯を食べようということになって
庭に出たわたし。
実は、前日の夜から胸騒ぎのような、ザワザワした感覚が続いていました。
「マリーにメッセージがある」
そんな言葉がポッと浮かぶんだけど、これが何なのかさっぱりわからない。。。
せっかく仲良くなったのに(しかも宿泊ゲストよ)、ヘンテコなこと言っちゃって、
気味悪いってなったらどうするよ〜。と頭のおしゃべりも止まらない。。。
少しの間、葛藤してたんだけど、
自分の感覚の方を優先する暮らしに慣れてきていた
わたしは、全てを何かに任せることに決めた!
「マリー、ちょっとここに座ってくれる?」
不思議な表情を浮かべながら、わたしのそばに来てくれたマリーに
椅子に座ってもらうと、そこからは口が勝手に喋り始めた。
「目を閉じて、ゆっくり鼻から息を吸って、口から吐いて」
なぜかマリーも言われるがままに深い呼吸をしてくれた。
体が熱くなってきて、勝手に言葉が溢れ出した
「もう今は苦しくないから大丈夫だよ」
「自分のことを可哀想だと思って欲しくないんだ」
「素晴らしい人生だったんだよ」
「愛してる、愛してるよ」
「僕の家族にも、愛してるって伝えて」
涙をボロボロ流しながら、とにかく出てくる言葉を伝え続けた。
そして言葉が出なくなって、わたしはマリーの背中に置いていた手をそっと離した。
「なにぃ!?いまの!?」
頭の中でびっくりしてるわたし。
家の中からティッシュの箱を持ってきて、同じく涙と鼻水まみれの
マリーと鼻を噛みながら、顔を見合わせた。
「あなた、スピリチュアルな人なの?」
「わからないけど、こんなの初めてですぅ(笑)」
そしてマリーが、驚いた表情のまま、ゆっくりと話し始めた。
「実は、数ヶ月前に弟が癌で亡くなったの。
昨日の夜、弟のお嫁さんからメールが届いて
これは○○(弟さんの名前)からよ、ってレインボーの絵文字が届いた。
そしたら急に悲しくなって、
昨日の夜、布団の中で一人で泣いてたのよ。
(そうだったんだ。。。)
そういえば昨日、亡くなった母の話したじゃない?
だから、今のは母だったのかしら?それとも、弟なのかしら?」
「はて?」と思った途端、口が勝手に
「弟さんみたいです」と喋った。
マリーが言葉を続ける。
「そういうことなのね。今回日本に来ることになって
リナがとにかく「ミナのところに行こう」って
すごく誘ってくれて、うちの主人は床(畳)で寝るのはゴメンだ、
(パパさん、お布団寝心地良かったみたいで気に入ってくれました)
なんて言ってたのに、娘が強く薦めるから結局OKってなって。
弟はリナをすごくかわいがってたの。
だから、こうやって繋げてくれたのね。
うちの弟の話、リナから何か聞いてた?」
「ううん、何にも」
「そっか、この旅にはこんなスペシャルな意味があったのね」
わたしたちはニッコリ笑い合って、静かにハグをしたのでした。
(ちなみに、10mも離れてないところで女性二人が号泣
してたというのに、パパはガイドブックを読み耽っていたため
まったく気づいていなかったという。。。。凄いね、宇宙って(笑))
この不思議な体験を思い出すたびに、
マリーは、わたしの「シンプルコズミックライフの扉」
を開けるために、遥か遠いオーストリアから来てくれた
女神みたいな存在だったのね。。。と心がポカポカします。
しっかり繋がってるという確信。
わたしが、想いのままに、安心して
好きなことをしながらシンプルに楽しく暮らす
これだけで、十分。
これが宇宙とわたしが望んでいる、わたしの本質。
こういう生きかたを望む人が増えて、
みんながそれぞれの本質に近づいていったら。。。
そんなことを、ワクワクしながら思い描きつつ
しっとり濡れた緑の木々を眺めて、今日も過ごしています。
最後まで読んでくれてありがとうございました。