しあわせのカタチ シリア難民の家族が教えてくれたこと
数日前からパリに来ています。
石の文化って感じの、パリの街を歩きながら、人間の長い歴史を実感したり、その広大な建物
や敷地に驚いたり。。。なかなか興味深い場所です。
ヨーロッパの旅もあと3日。
こんにちは、ミナです。
先日、ベルギーで海に連れて行ってもらいました。
ベルギー人の友達ウェンディの家族、それとボランティアでサポートしているシリア難民の
ご家族と一緒に。
↓シリア難民のご家族宅を訪問したときの話はこちらをどうぞ↓
わたしが滞在していたところから、海辺の街までは車で1時間半くらい。
ウェンディの娘さん2人、シリア人家族4人、ウェンディと私、8人ということで車1台では
足りない。急遽、ウェンディのお父さんが車を出してくれることになりました。車2台で出発。
さて、行きの車。
子どもたちをお父さんにお任せして、こちらの車はシリア人ご夫婦、ウェンディ、私。
それぞれが話せる言語の都合で、車の中の会話は
シリア人夫婦→アラビア語
私とウェンディ→日本語(時々英語)
シリア人奥さんとウェンディ→オランダ語
シリア人奥さんと私→英語(ウェンディがオランダ語で通訳)
シリア人旦那さんと私→ジェスチャー
(と言いつつ、やっぱり詳しい話はできなかったので、ウェンディがオランダ語にしたものを、奥さんがアラビア語に通訳してくれるという2段階通訳)
という、もうぐっちゃぐちゃの状態でした(笑)
それでもいろんな話ができて、すごく楽しかったー。
シリア人の奥さんが、アラビアコーヒーを用意してくれてて、小さいカップでコーヒーを飲み
ながらのドライブ。
海に着いたら、ウェンディが用意してくれたパンとかチーズとかでサンドイッチを作って、みん
なでランチ、それからビーチへ。
お天気は良かったのですが、気温が低く、波が高いので、ビーチは遊泳禁止となっていました。
それでも子どもたちは元気いっぱい!
裸足になって海に入り、遊んでました。
シリアではいつでも海に行けてたのに、いまは車がないので子どもたちを海に連れてくること
ができない。だから今日のこの日を、子どもたちもご両親もすごく楽しみにしていたとのこと。
お父さんの視線の先は
全身びっしょり、砂だらけになって遊ぶ息子。
幸せそうな家族の姿がここにありました。
この後も、一緒にお茶を飲んだり、ご飯を食べたりして楽しい時間を過ごしました。
奥さん手作り、シリアのお菓子も美味しかった!
そして、この日私たちは、お父さんの従兄弟の話を聞くことになります。
お父さんの従兄弟は41歳。
5人の子供と奥さんを連れて、シリアに帰ることにしたそうです。
シリアに帰り、自分の家に戻ったところ、そこに家は跡形もなく、従兄弟は途方にくれます。
仕事もなく、家もない、5人の子供と奥さんを抱えて、これからどうすればいいのか?
3週間前、その従兄弟は心臓発作を起こし、急死したそうです。
彼が抱えたストレスは、私たちには想像できない。。。。
そして奥さんは、夫も失い、5人の子供を抱えて、これから生きていかなければならない。
このご夫婦も、遠く離れたベルギーで、何もしてあげられない。
それが、シリア難民の家族が抱えている現実でした。
それでも、このご家族は、笑顔で楽しく今日1日を過ごしていました。
周りは今後のことを心配し、あーでもないこーでもないという話をしますが、彼らの笑顔を見て
いると、このご家族は体感的に「いまこの瞬間を生きる」ことを知っているような気がします。
わたしがビーチで大の字になって寝ていたら、覗き込んできた娘さんの笑顔があまりにも
純粋で、綺麗で、「この子の心は強くてたくましくて優しいなぁ。。。」と感動しました。
わたしは、このご家族から、「いまこの瞬間を生きる」ことの大切さを教えてもらいました。
何を抱えていても、目の前の海を見て、綺麗な空を眺めて、一緒にいる子どもたちの元気な姿
を見て、笑い声を聞いて、幸せなときを過ごす。
とても素敵なご家族でした。
言葉も文化も、何もかも違ったけど、こうしてベルギーでお会いすることができて、一緒に時間
を過ごすことができて、わたしにとって貴重で楽しい時間でした。
またいつか会えますように。
どうもありがとう!