いのち
学生時代、サークル活動で熱気球をやっていた。
大きなバスケットに、シリンダー、畳んだ球皮をワゴン車に乗せて
ワイワイしながら、東京から栃木県の渡良瀬遊水池へ行く。
週末の朝、眠い目をこすりながら、朝日と共にフライト。
日本各地で行われるバルーンフェスティバルには、寝袋を持って
公民館に泊まったりしながら参加した。
寝食を共にしながら、仲間たちと過ごす時間はとても楽しかった。
大学を卒業してから20数年。
なんとなく、サークル仲間とは疎遠になっていた。
そんな中、仲間の一人が先日病気で亡くなったことを知った。
いつも食欲旺盛で、ニコニコしている彼の笑顔が浮かんだ。
私は、「幸せ」と「人生の長さ」は全く関係ないと思っている。
だから、やっぱりショックで悲しいけれど、○○ちゃんが立派に全うした人生を
「よかったね!!」と思う。
そして、ほんの少しの間だけど、共に過ごせたときを、
彼の操縦する気球に乗せてもらって、一緒に綺麗な空を飛んだこととか、
九州の大会へ行って、私の母を乗せてフライトしてくれたこととか、
いっぱい思い出して、
「あのとき、すごく楽しかったよぉー!!ありがとう!!」
という気持ちが溢れてきて、暖かくなる。
いまこの瞬間も、○○ちゃんのニコニコした笑顔と
「いのち」の存在がしっかり伝わってくる。
でも、やっぱり、直接会って話したりできる方がもっと嬉しい。
「会いたい人に、会いたいときに会う」
ことの大切さを、こうやって、「いのち」をかけて、教えてもらってる気がする。