バリ島最後の夜。
やっぱりもう一回観たくて、スマラ・ラティにやって来た。
↓前回のスママラティの投稿記事はこちら↓
お父さんであるAnom(アノム)さんという方を筆頭に、
そのご家族メンバー中心に成り立っているスマラ・ラティ。
アノムさんのあのダンスが観たい!!
楽団の皆さんの、あの楽しい雰囲気と素敵な演奏を味わいたい!!
ワクワクしながら会場へ向かう。
いつものようにロバートさんが予約してくれたおかげで、
今日も一番前の席で観ることができた。
同じくロバートさんのお友達のドイツ人カップルも一緒だ。
ロバートさんから「今日は先週とは違うプログラムになるらしいよ」
と聞いていたので、日本語版のプログラムをもらって読む。
確かに、観たことない名前のダンス演目が書かれていた。
時間になり、暗い会場の客席の後ろから、楽団が音楽を奏でながら登場する。
初めはウェルカムダンス。
そして、待ってました!
アノムさんのバリス・トゥンガルという戦士の踊り。
まず、ガムラン演奏の迫力がすごい。
そしてアノムさんが登場すると、演奏も激しくなり、気迫が重なって、
目が離せなくなる。
彼の震えるような目の動き、繊細で力強い体の動き。
バリ滞在中に、美しい女性のバリ舞踊も含めて、いくつか観てきたけど、
やっぱり私の中の一番は、これだなぁ。。。と確信した。
また観たい。
そして、今日はTELEK(テレッ)という演目で、ビダダリ(天女)のキャラクター
の女性たち&トペンダンスという親しみやすいキャラクターのダンスがあった。
全員お面をつけてのダンス。
テレッと一緒に踊る、バロンも登場し、足で器用に扇子を開いたり、楽しい。
ガムラン演奏も、先週と同じように、奏者の皆さんがアイコンタクトしながら
ニコニコして演奏を楽しんでいる。
「わぁ〜、そうくるっ?どうするどうする?」
「さぁっ、こういくぞっ!」
みたいな表情で、お互いに顔を見合わせながら、表情豊かに演奏するので、
見ていても、聞いていても、すごく面白い。
今日も素晴らしい公演だった。
大満足!!
精一杯拍手をして、公演が終了。そしていつものようにロバートさんと
食事に行くことになった。
レストランに着いて、席に座ろうとすると、ドイツ人カップルも到着。
「よかった。じゃあ一緒に座ろう。」って広いテーブルに移ろうとしたときに、
また二人、ロバートさんの知り合いっぽい地元の人がやってきた。
二人ともマスクをしている。
ロバートさんが「風邪ひいてるの?大丈夫?」なんて声をかけながら
こちらの二人も合流。「この人、Ayu(アユ)さんだよ」なんて紹介して
もらいながら、そのご夫婦と握手して、大きなテーブルに移った。
その後、ドラムを演奏していた方が一人衣装のまま到着。
みんなで飲み物を注文したり、食べ物を注文したりしながら、
ドイツ人カップル(なんの楽器かわからないけど、お二人も楽器奏者らしい)
が、ガムラン奏者の方に質問をして、ガムランでの音符のこととか
説明を始めた。マスクをしていたご夫婦も一緒に話に入って、ご主人の
方が英語が話せるみたいで、通訳をしてあげながら、アーティストたちの
会話が弾んでいく。私はなんだかよくわからないまま、「いやー、楽しい」
とご機嫌で座っていた。
飲み物が届いて、ふとマスクを外したご夫婦を見たとき、「あれ?」と
思った。「なんか見たことある」
そして気づいた。
「ああああああああぁぁぁっ!!!アノムさんだぁぁぁっ!!!」
隣に座っていたのは、スマラ・ラティの大黒柱、アノムさんだった。
そして奥さんのアユさん。
彼女もまた素晴らしいダンサー。
(ちなみに後ろに写ってるのは一番下の息子さんとのこと)
嬉しくて、急にそわそわしてしまった(笑)
舞台に立っているときは、本当に別人のようだった。
あの気迫。。。
でも目の前でおしゃべりしてる二人は、とても素朴で親しみやすい雰囲気。
あー、尊敬するアーティストの方々と一緒にご飯食べてるぅ。。。
もう、その場に居られることが幸せ。。。
みたいな感じでぽぉーっと眺めていた。
ふと、二人を見ると、やっぱり体調が悪いみたい。
アノムさんは食後に薬を飲んでたし、話を普通に聞いているように見える
アユさんは、よく見ると呼吸が浅い。軽く肩で息をしてる感じ。
しんどいのかなぁ。。。
アノムさんがこちらを向いてくれたタイミングで話しかけてみた。
「熱とかあるんですか?」
するとアノムさんは「熱っていうか、この辺が。。」と言って、後頭部
の辺りを指差した。頭が重いのかなぁ。。。
そこで、勇気を出して言ってみた。
「私、気功マッサージを習ったんだけど、やらせてもらっていいですか?」
するとアノムさん、すぐに上着を脱いで「あぁ、お願い」と背中を向けて
くれた。
「やったぁぁぁぁぁぁっっぁぁぁっ!!!」
嬉しい。
今日はお寺で祈った。
パワーをもらった気がした。
そしてチャンス到来。
バリのお寺で祈ったわけだし、バリの方の役に立てれば嬉しい!!
覚えたてで、ベッドに寝てもらってもいないけど、それでも
きっと少しは楽になるかもしれないからと思い、座った状態で
マッサージをさせてもらう。
アノムさんはマッサージを受けながら、みんなと談笑を続けてくれている。
たぶん手技はめちゃくちゃだったと思うけど、心を込めてやらせてもらった。
アノムさんに「終わりました」と言うと、「ありがとう」と
言ってくれた。そして次にアユさんに「アユさんも?」と聞いたら
「うん!でも、あの人もお願いしたいって。」とドラム奏者の方を指差す。
「えーっ、いいの?もちろん!」と私が彼の後ろに座ると、
彼もニコニコ笑いながら「いぇ〜い!」とかなんとか言って衣装の上着を脱いだ。
さっきまで感動をもらったアーティストの方々が目の前で談笑してて、
舞台の後、その人たちの背中を気功マッサージできるなんて。。。。
なんて幸せな夜なんだろう。。。
ドラム奏者の方が終わって、今度はアユさん。
アユさんも嬉しそうに背中を向けて座ってくれた。
力んで自分の体がこわばらないよう、呼吸を意識しながら
相手の体のストレスを逃がすようにマッサージした。
「素敵なダンスのためにも、早く良くなりますように」
と最後に声をかけると、嬉しそうに「ありがとう」と言ってくれた。
あぁぁぁぁっ。。。。幸せだぁぁぁ。
食事会はお開きになって、みんなを見送って、今回本当にお世話になった
ロバートさんにお礼を言った。感謝しかない。。。
「本当にありがとう!!」
「特に今日は、本当に素晴らしい夜になった!信じられない!」
ロバートさんも「この2週間は特別楽しかったよ。また必ず戻っておいで。」
と言ってくれた。「連絡取り合おうね」と。
この旅で、私はいろんな方と出会えて、よくしてもらっている。
私も自分なりにできることがあるはず。
それを「これだっ!」と確信して、進み始めたいと思っている。
いろんな場所で、こうやって人生をかけて、何かに没頭している人たちと出会い
彼らの人生を見せてもらえるなんて、なんて贅沢なんだろう。
それぞれが、自由に進む道。
毎回毎回感動をもらっている。
バリ島最後の夜、最高に幸せな時間となった。
また来よっ(笑)