先日、祖母の妹さんが亡くなった。95歳。
今までその家には私はほとんど行ったことがなかったのだが、祖母の実家でもある
そのおばあさんが住んでいた家を、父に連れて行ってもらい、数十年ぶりに訪ねた。
長年一人暮らしだったおばあさんが暮らしていた小さな家。
簡素で、昔ながらの土間があり、薪で煮炊きできる小さなかまどには、おばあさんが
亡くなる直前まで料理で使っていた、アルミの鍋がまだ置いてあった。
家の目の前には、さつまいも畑が広がり、家の側に立つ大きなバナナの木の横を通っ
て木々の小道を抜けると、そこにはいろんな種類のミカンの木が、きれいな色の実を
たわわに実らせていた。
普通のミカン、ポンカン、ハッサク、デコポン。。。
見ているだけで、ワクワクする素敵なミカン畑だった。
おばあさんは、毎日畑仕事を楽しみ、亡くなる前日まで元気に暮らした。
自然とともに暮らす。
残された家や周りの植物たちが、その「自然で豊かな生き方」を力強く
表現していて、とても美しかった。